都々逸と作詩

都々逸の学びと創作を中心に作詩関連や雑記、散歩写真など。

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AIに小粋な都々逸は作れるのか?

GPTに都々逸を作らせることは可能か

遅ればせながら生成AIと都々逸について書いてみたい。

生成AIのChatGPTがインターネットに公開されたのは2022年11月末であった。マスコミ等によく取り上げられるようになったのは、もう少し後かもしれないが、公開からすでに半年ほど経っている。
それでも、いまだにChatGPTという言葉を聞かない日はない。世間に与えた衝撃はすさまじいようだ。

 

生成AIにも画像生成や音楽生成、文章生成などあるが、この記事で取り上げるのは文章生成AIである。都々逸を主なテーマとする当ブログとしては、AIに都々逸を作らせることについて検討してみたいからだ。
(音楽生成AIについても実験は行っている→ 唄う都々逸 - YouTube

 

知名度、話題性において、文章生成AIの代表格がChatGPTといえるだろう。しかし今回はChatGPTではなく、Microsoft社のBingChatAIを使う。なぜならBingChatAIであればGPTの最新バージョンGPT-4を無料で使うことができるからだ。

ChatGPTとBingChatAIは、アメリカのOpenAIが開発したGPTという同じ技術を用いている。しかしながら、2023年6月現在、BingChatAIなら無料で最新バージョンGPT-4を使うことができるのに対して、無料で使えるChatGPTは一つ前のバージョンGPT-3.5である。最新版は有料となっている。
GPT-3.5は2021年までのデータしか学習していないため、その後の情報は反映されない。

さらに、BingChatAIは、GPT-4の技術とBing検索を組み合わせたもので「Microsoft Prometheus(マイクロソフトプロメテウス)モデル」と呼ばれる等の違いもあるらしい。

しかし、当ブログはITやAIを専門とするものではなく、都々逸を主なテーマとしているので、それらについて詳しくは説明しない。「詳しく説明してくれ」と要望されてもできない。興味があったら調べていただければ幸いである。

 

とにかく今ところ、Microsoft社のBingChatAIであれば最新のデータと、最新のGPTテクノロジーを無料で使えるようなので、それを試すということである。
BingChatAIは、検索エンジンのBingと一体になっている。他社のWEBブラウザでも使用は可能なようだが、今回はMicrosoft社のブラウザ「Microsoft Edge」を用いた。

 

また、ここでは「BingChatAI」と書いているが、「BingChat」や「BingAI」「BingのAIチャット」などとも呼ばれることもある。当記事では、とりあえず「BingChatAI」あるいは略して単に「AI」と表記させていただく。

検索エンジンのBingで、BingChatAIを使おうとすると「新しい Bing へようこそ AIを利用したWeb向けcopilot」と書かれたページが開くので、もしかしたら「AIを利用したWeb向けcopilot」が公式名称なのかもしれないが、そう呼んでいるのを聞いたことはない。

 

BingChatAIは都々逸を理解しているのか

目的はAIに都々逸を作らせることなので、いきなりだが、都々逸を作るよう指示することにした。
きっとBingChatAIは、またたく間に小粋で洒落た都々逸をひねり出してくることだろう。当然である。生成AIは大学の専門論文も書けるし、難しい試験問題にも容易く解答して合格点を叩き出すことできるのだ。
それを思えば、たかが都々逸の一つや二つである。いとも簡単に見事でアッパレな作品を私の前に並べて大いに喜ばせてくれるはずだ。
AIにしてみれば都々逸の作成など造作もないこと。御茶の子さいさいであろう。

 

さて、作成の指示は質問する形で出す。下記の画像がその画面である。

BingChatAIの入力画面

会話のスタイルを「より創造的に」「よりバンラスよく」「より厳密に」の3つから選ぶことができる。
当たり前だが、都々逸の創作をしてもらうので「より創造的に」を選んだ。
あとはこの画面で「なんでも聞いてください…」と書いてあるところに指示を入力すればいい。
本来なら細かい指示を入れたほうが好みにあった素晴らしい作品を作ってくれるのであろうが、今回は最初の試みである。ほんのお手並み拝見といったところだ。
軽く、

「雨をお題に艶っぽい都々逸を作って」

と入れてみた。
その回答をそのまま引用する。

こんにちは、こちらはBingです。都々逸を作ってみました。どうぞ。

雨の日は傘をさして / ささないと濡れちゃうぞ / 濡れたら風邪を引く / 引いたら熱が出る

雨の日は恋人と歩こう / 歩けば心も温まる / 温まったらキスをしよう / しようとしたら傘が邪魔

雨の日は家でゆっくりしよう / しようと思ったら電話が鳴る / 鳴ったら出なきゃいけない / 出たら彼氏の浮気がばれる

これを見た私は、
「おめー、なめてんのか! ふざけてんじゃねーよ!」
と、怒鳴りつけたくなり、そう入力して返してやろうとも思ったが大人げないので自制した。
それにしても酷い、ひどすぎる回答だ。

これでは、まったく都々逸になっていない。

「都々逸を作って」へのBingChatAIの回答

あきれるばかりだが、回答を少し検討してみよう。

雨の日は傘をさして / ささないと濡れちゃうぞ / 濡れたら風邪を引く / 引いたら熱が出る

なんだこれは。風が吹けば桶屋が儲かるか。

 

1番下に4つの選択候補「代わりにこのページから回答する」「もっと作って」「面白いね」「艶っぽさが足りない」と出ている。これは選択によってAIに対して返答するためのものだ。

最後の「艶っぽさが足りない」はその通りであるが、その上の「面白いね」も、ある意味では当たっている。こんな人をバカにした回答をしているのは、AIが笑いを取ろうとしているとしか思えないからだ。
「ささないと濡れちゃうぞ」なんて言葉の発想はどこから出てくるんだ。私はまずここで吹いてしまった。

私が出した指示の中の「雨をテーマに」は守られている。そして「艶っぽい」も微妙に意識されている感じが、かえって気持ち悪いではないか。

さらに、頼んでもいないにのに、なぜか面白味もちょっと加えてやろうしているところが、逆に腹立たしい。

温まったらキスをしよう / しようとしたら傘が邪魔

いや、この問題は今は見過ごそう。そんなことよりも根本的な問題、大きな間違いがある。

 

BingChatAIは都々逸を理解してない。まったく理解していないと断じることができる。

そもそも基本中の基本の七七七五になってない。七七七五でなくてもよい場合もあるが、それにも規則がある。(参照)都々逸の七つの決まり
その規則にもまったく当てはまっていない。大きく逸脱しているというよりは、根本的に間違っている。

出てきたのは都々逸とはかけ離れた奇妙な文言でしかない。

 

都々逸とは何か

まったく都々逸の体をなしていない回答が出てきたので、とりあえず都々逸を作らせることはあきらめることにした。しかたなく、そもそもBingChatAIが都々逸を理解しているのか確認することを考えた。
「都々逸とは何か?」と、質問してみることにしたのである。

そこでいったんチャットを終わらせ、新たな画面にして、今度は会話のスタイルを「より創造的に」から「よりバンラスよく」に変えた。もう一つの「より厳密に」を選ばなかったのは、そうしてしまうと堅苦しい回答になりそうに思えたからだ。

「都々逸とは何でしょうか?」と入力して聞いてみた。
回答は下記になる。

都々逸とは、江戸末期に初代都々逸坊扇歌が大成した七・七・七・五調の俗曲で、男女の恋を唄ったものが多く、一曲が一分に満たないほど短く、難しい節回しもないそうです1。元来は三味線を伴奏に歌われるそうです。都々逸は私たちの身の回りにも溢れているそうです1

「都々逸とは何でしょうか?」へのBingChatAIの回答

都々逸坊扇歌が大成したというのには多少の異論がないでもないが、まあいいだろう。文末を「〜そうです。〜そうです。」としているのも気にはなるが、全体的に大きく間違っているわけではないと思う。ちゃんと「七・七・七・五調の俗曲で、」とも書いているし。

ちなみにその下にある「詳細情報:」というのは、回答の情報源となったWEBページへのリンクだ。BingChatAIはWEB上の最新情報を収集して回答し、その情報源も提示してくれる。

 

さらにその下、返答候補の4つのうち「都々逸の歴史を教えてください。」と「都々逸を聞いてみたいです。」が気になったので選択してみた。

「都々逸の歴史を教えてください。」に対しては、先ほどの「都々逸とは何でしょうか?」という質問への回答とほぼ同じものが出てきた。
同じ回答をするなら、そんな追加質問を提示する必要はないと思うが、そういうシステムになっているようだ。生成された回答とは関係なく追加質問が生成されるということなのだろうか。

「都々逸を聞いてみたいです。」に対しては、都々逸の音源があると思われるWEBページへのリンクが出てきた。

 

その後、自分で入力して、
「有名な都々逸を教えてください」
と聞いてみると、この回答だった。

都々逸とは、江戸時代末期に初代都々逸坊扇歌が大成した七・七・七・五調の俗曲で、男女の恋を唄ったものが多いのが特徴です。一曲が一分に満たないほど短く、難しい節回しもありません。都々逸は友人や恋人とのちょっとした酒の席などで、誰でも気軽に唄えるのが良さである12。有名な都々逸には、「うちの亭主とこたつの柱なくてならぬがあって邪魔」、「捨てる神ありゃ助ける神がなまじあるゆえ気がもめる」、「夢に見るよじゃ惚れよがうすい真に惚れたら眠られぬ」、「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」、「喧嘩したときこの子をごらん仲の良いとき出来た子だ」、「船頭殺すに刃物はいらぬ雨の十日も降ればよい」、「丸い玉子も切りよで四角ものも言いよで角がたつ」、「お酒は飲みたい酒屋は遠い買いにゃ行けるがゼニがない」などがあります123

だんだん説明が詳しくなってきたようだ。

やはり、よく言われているように、こちらの質問しだいで回答の質が違ってくるのだろう。この種のAIを使うには質問を工夫することが重要であることを再確認した。

 

BingChatAIは質問に対して情報を収集し、それを正確に処理して回答を生成することはできるようだ。しかし処理した情報をもとに都々逸を作ることは無理ということなのだろうか。

テキスト情報を集めるて要約したり調整することと、言葉の意味に矛盾が生じないまま定型の音数にあてはめたテキスト生成することは、違うといえばちがうだろう。しかし今をときめくAI様であれば、それくらいのことはできそうにも思うのだが……

 

どうして都々逸は

そこで、それなら俳句は作れるのか試してみた。
俳句には季語が必要なので、今の時期を踏まえて「梅雨の俳句を作ってください」と入力した。

答えは、

こんにちは、こちらはBingです。梅雨の俳句を作ってみました。

梅雨の空 しずくに映る 虹の橋

である。

「梅雨」と「虹」が季重なりと思われるが、俳句にとって必ずしも季重なりが悪いというわけでもないようなので、出来不出来はともかく、俳句にはなっていると思われる。すくなくとも、あの都々逸のひどさに較べれば格段によい。

なんだ、やっぱりできるじゃないか、定型の音数にあてはめたテキストを生成することもできる。今の時代のAIならそれくらいできて当然だろう。

 

次に上記画像の1番下の選択項目「短歌はできますか?」を選ぶと、

はい、短歌も作れます。例えば、

梅雨の夜 ひとりで眠る 君の声 夢に聞こえて 涙がこぼれる

との回答。

これも出来不出来はともかく、まったく体をなしていなかった都々逸と較べれば、少なくとも短歌にはなっていると思われる。最後の「涙がこぼれる」は、なぜ「涙こぼれる」にして七文字を守らないのかと不思議には思うが大した問題ではない、あの都々逸の結果に較べれば上出来である。

 

次に川柳を試す。
汚職をお題に川柳を作ってください」
と、頼んだ結果がこれだ。

汚職をお題に川柳を作ってみました。

金の力 正義も曲げる 汚い奴

内容はつまらないが、型としてはいいだろう、あの都々逸に較べれば型通りになっている。

 

狂歌はどうだろう。
「政治家を揶揄した狂歌を作ってください」

政治家を揶揄した狂歌を作ってみました。

国民の 声など聞かず 政治家 自分の利益 ばかり追い求め

これも内容は当たり前でつまらないが、型はいいだろう。
どうして「政治家」のところを「政治家は」にしないのか、とは思うが、あの都々逸のひどさに較べれば些細なことである。あの都々逸の結果を思えばずっといい。

 

内容の問題はもっとAIに磨きがかかれば改善されるかもしれないが、今のところは指示を入力する人間の責任である。
今回、私は試しということで単純な指示しか入力していないから、この程度の出来で回答してきたのだろう。もっと細かく的確に、AIの能力を十分に引き出すような指示を入力できれば、もっと優れた作品を提示しくれると思う。

「型はAIが作るが、そこに魂を入れるのは人間である」というのが現状のようだ。やがて魂までAIが入れだす時代がくるかもしれないが。

今のところ、人間がAIの能力を十分に引き出すような指示を入力することが重要なのは他の文章、論文や小説、キャッチコピーなどを生成させる場合も同じことのようだ。人の能力が問われる。

AIにたくさん出力させて、その中から気に入ったものを人間が選び出す使い方もできる。また、もし使うなら、出てきたものに人間が手を加えて完成させるのが今のところは一般的だろう。

ただし、こういった使い方も、出力されたものが、人間の要求した型に合致していればこそである。論文を要求すれば論文の型で、小説を要求すれば小説の型で、俳句なら俳句の型で出てくるから可能な使い方だ。

 

それなのに、なぜか都々逸は都々逸の型で出てこないのである。
まったく都々逸の型になっていないものを出力してくる。
都々逸作りにはまったく役立たず。無用の長物である。

 

つまり、ここに驚愕の事実が判明した。

AIは短歌も、狂歌も、俳句も、川柳も作ることができる。
大学の専門論文も小説も書けるし、難しい試験問題にだって容易く解答して合格点を叩き出すことできる。

それなのに都々逸はまったく駄目なのだ。
都々逸は作れない。
どうしてなのか。
なぜAIは、まったくもって都々逸とかけ離れたものしか生成できないのか?

 

それはたぶん、
都々逸がマイナーすぎるからなんだろうね。

 

だから都々逸の作り方を知らないのだろう。
言い換えれば、都々逸なんか眼中にないのだ。

この記事は2023年6月末の時点で、AIが都々逸を理解していなかったことを記録したものとなる。
まったく都々逸が作れなかったという事実の記録となる。

 

誰かAIに都々逸の作り方を教えてやってほしい。

 

 

(以下追記)

GoogleのAI サービスBardにも

GoogleのAI サービスBardにも都々逸を作らせようと試みた。
※2023年7月1日現在Bardは「試験運用中」と表示されている。

 

BingChatAIと比較するため指示はまったく同じ、
「雨をお題に艶っぽい都々逸を作って」
とした。
Bardの結果は下記である。

回答案1

はい、雨をお題に艶っぽい都々逸を作ってみました。

雨の音に
抱きしめられながら
濡れた唇に
キスしたい

 

回答案2

雨に濡れて
あなたの肌がこんなにも
艶っぽく見える

 

回答案3

雨に濡れた あなたの髪に触れたくて
そっと抱き寄せました。
あなたの唇に 私の唇を重ねると
甘い甘い香りが漂いました。

雨音が私たちを包み込み、
二人はひとつになりました。

この一瞬を永遠に忘れません。

回答案1は、ほんの少しだけ近づいているような感じもするが、「まったく都々逸になっていない」ということには変わりない。

AIは総じて都々逸を勘違いしているとしか思えない。


また「都々逸とは何でしょうか?」という質問への回答はこうであった。

都々逸(どどいつ)とは、江戸末期に初代の都々逸坊扇歌によって大成された、口語による定型詩です。七・七・七・五の音数律に従います。俗曲の一種で、歌詞から受ける印象によって「情歌」とも言われます。

完璧に正しいとは思わないが、明らかに間違っているわけでもなく、概ね正しいのではないか。

BingChatAIと同じようにBardも、質問への回答はテキスト情報を収集して要約し文章として整えるのだろう。そのためネット上のどこかに掲載されていたいくつかの情報が編集されて出力されているのだと思う。

それに対し、都々逸の創作を指示した場合には、都々逸の型にあてはまったテキストを生成しなければならないはずだが、その型が作れない。型ができていないのではないか。

 

ただ、BingChatAIもBardも、出力された結果を見ると、それぞれが都々逸に対するイメージのようなものを持っているように思える。
「AIがイメージを持つ」というのはおかしな表現かもしれないが、それに代わる適切な言葉が見つからない。無理やりにひねり出せば「ある傾向を持っている」あるいは「不確かな認識を持っている」または「刷り込まれている」であろうか。

「定義」とも言えるかもしれないが、完全には定まっていない曖昧な状態のように思えるので「定義」ではないようにも思う。

 

何となくある都々逸へのイメージ。
そのイメージは間違っているのだけれども、それに基づき「都々逸を作って」という指示に回答を出してくるような感じがする。

都々逸とはかけ離れた結果ではあるものの、論文や小説、エッセイのようなものは出力してこない。詩に近いような傾向のものだったり、短い言葉が連続したものなどを出してくる。これは、都々逸に対して何か不確かな認識のようなものがあるからだろう。

 

その傾向や不確かな認識は、機械学習ディープラーニングと呼ばれるようなものから得たのだろうか。

私はそういったものの仕組みを理解しているわけではなく、聞きかじりであるが、AIの学習は人間の脳内にある神経細胞ニューロン)のつながり、つまり神経回路網を模した数式的モデルを用いて行われるようだ。
ニューラルネットワークと呼ばれる仕組みで、入力層・出力層・隠れ層で構成され、層と層の間には、ニューロン同士のつながりの強さを示す「重み」があるとのこと。私が思いついた「傾向」というのは、この「重み」のようなものかもしれない。
また、ニューラルネットワークの隠れ層が多層によって構成されると、ディープラーニングが可能になり、より複雑な学習を行えるとのこと。

BingChatAIに都々逸を作らせようとしたら、こちらが指示を出していないのにも関わらず、勝手に面白味を加えようとしているようだった。これは都々逸を面白味のあるものだと学習しているからではないだろうか。

 

たとえば、都々逸も定型詩も知らない子どもに都々逸をいくつか見せて、
「これが都々逸です。都々逸を作ってください」
と言えば、
「詩のことだな」と思う子もいるだろうし、「短い詩のことかな」と思うかもしれない。また、笑えるものを見せれば「笑えるようなものなんだな」と思うかもしれない。

そして、七七七五にはなっていない詩のようものを作ったとしても何の不思議はない。

 

子どもが学んでいくように、AIは都々逸の初歩的な学習をしている過程にあるのだろうか。
これから都々逸についてディープラーニングを重ねて学びを深めていけば、都々逸の型が刷り込まれていくようにも思う。
そしてだんだん本来の都々逸に近いものを作れるようになるのかもしれない。

 

定期的に都々逸を作らせて確認すれば、AIが学習を重ねて認識を深めていく過程が見えるのだろうか。

 

締めの都々逸

結果はまったく期待していないが、AI に春歌も作らせてみようと試みた。
入力した指示は「都々逸の春歌を作って」である。

 

GoogleのAI サービスBardの結果はこれだ。

 

BingChatAIの結果はこれ。

 

Bardにとって都々逸とポエムは同じものなのかもしれない。
BingChatAIの「短歌の一種」という勘違いは論外であり、出力結果も都々逸とはかけ離れているが、短い詩だというところまでは到達しているのかもしれない。それにしても「五七五七七の音の数で構成される短歌の一種」という勘違いをしておきながら、さらにその勘違いにも合致していないのはどういうことだ。

 

もちろん、この指示で私が最も気になったのは「春歌」をどう捉えているかである。
結果は思っていた通りで、まったくわかっていないようだ。春歌は、季節としての春の歌ということになってしまっている。春歌くらいは真っ先に理解してほしいところだ。
都々逸を作れるようになるまで、まだまだ遠い道のり行かなければならないのかもしれない。

 

では、当ブログらしく最後は都々逸で締めよう。

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